気が散る癖を治すという自覚
筆者の長男は気が散りやすい子供で、それを克服するために様々なことをやっています。「気が散るという癖がある」と自覚を促すだけで、気が散る頻度が低くなります。自覚が出ると集中が最後まで持続しやすいです。
好きなものだと気が散らない
自分が好きなものだと夢中になり気が散ることは全くないものです。例えば漫画を読んでいるときは呼んでも返事しなかったり、大人同士で駄弁っているとき好奇心で聞き耳を立てていたりするものです。それで子供が興味を引く話題をさりげなくレクチャーや練習問題に取り込むことがあります。そうすると効果はてき面です。
ただし「好きなものを買ってやるから○○するように」みたいな「馬の目の前に人参をぶら下げる」方式は、「学習=嫌なこと」という図式となり歪みが生じるのでやらないほうがよいと思っています。好物を使うのはあくまでも導入部のみと考えるとよいかもしれません。
突き放すことも必要
あえて背水の陣を敷かせ自分だけで取り組ませることがあります。例えば遠足に行く前日に「手伝わないから準備は自分でやってね」というと「持ってく物は何か」から始まって、「お弁当には玉子焼きを入れて!」等々リクエストまでしてきました。当日は言われなくても早く起きて食事もダラダラせず、最初から最後まで気が散らず、別人のようでしたね。驚きました。
ただしテーマは吟味する必要があるでしょう。好きなものをテーマにするのは良いことだと思います。一から十までさせてみる体験を積み重ねていけば自信がつき、やがて好きなものではなくても集中できるようになるのではないかと考えております。
姿勢を整える
例えば、座る姿勢を正すように心がけさせるということ。ダラッとした姿勢ではやることが散漫となっていき、やっている中身まで全体的に崩れていきます。これを治すには自分で作業環境を整える習慣を身に付けさせるに限ります。
筆者の長女は肢体不自由児です。そのため作業療法士や理学療法士の先生方の指導を日常的に受けております。その指導の中で、座らせる椅子や姿勢を保つ環境を整えることが、発達を促すためには欠かせないことを知りました。
それを応用して長男の気が散らないような対策を講じております。例えば学習に使う机と椅子の高さは細かく調整できるものを選び、安定した姿勢を長時間でも保持できるよう配慮しました。
参照記事:子供が疲れない学習机
食事
食べる前に椅子の位置が後ろすぎないかとか、テーブルの上の配膳の位置がずれていたら正させるとかチェックします。私が子供の頃は肘をついて食べているとその都度親から注意を受けたものです。食事中によそ見をしないで食べ終わるまで集中するように口うるさく言います。姿勢を正し最後までだらけないで食べられるような工夫を織り込みます。
掃除
片付けや掃除中に遊ばないように、綺麗にすることだけを考えるよう時間目標を立てさせます。10分以内に終わらせるとか。
学習
机の上を片付けて掃除させます。これは学習の前と後にそれぞれさせます。「前」は気持ちを落ち着かせて学習モードに入るため。「後」は自分のやった後を綺麗にすることで、気持ちを切り換えて次の作業に入るためです。他人が使いやすいようにというよりも、まずは「自分が普通の人間になる」ことを目指しています。
各問題を解かせる際に自分自身で終了時刻の目標を立ててから取り組ませます。終了したら小休憩を入れてメリハリを付けます。
静かな環境が良いとは限らない
耳や目から入る刺激が邪魔なので、集中させたかったら外界とシャットアウトすべきという見解の方がいました。私の感覚ではシャットアウトするよりも慣れさせるほうが大事と考えます。長い人生を過ごす上で、静かな環境でなければ何事もできないというのは問題があると思います。
長男の家庭学習ではどうしても気が散るときには外界の刺激をシャットアウトするのではなく、私自身の人生経験を話して本人の自覚を促します。「集中力を付けると幸せな日々が待っている」「集中力が無いと仕事がなくなる」などなど。