
※本稿で言う基本書(テキスト)の科目は、算数&数学限定です。
毎週配信サイトのビデオでポケットモンスター サン&ムーンを、子供たちと一緒に見ています。主人公のサトシはポケモンバトルの達人です。見るからに弱そうで「ゆるキャラ」みたいなポケモンに大胆な指示を与え、体格が大きく強そうに見える相手のポケモンを凌駕してしまうところが面白いですね。圧倒的に不利な状況であっても戦術を工夫することで乗り越えてしまう展開に魅了されることが多いです。バトルするにはポケモンとサトシの信頼関係が重要で、戦友として喜怒哀楽を共にしているのが興味深いです。
勝てる見込みがないバトルの流れが変わるとき、我が家の家庭学習の状況に置き換え感情移入してしまうことがあります。言ってみれば弱っちいポケモンはアホっぽい我が子であり、戦っているサトシは筆者自身。解けそうにない演習問題(バトル)でもメンタルのケアや教え方の工夫により乗り越えられるとうれしいものです。その成功体験は子供のやる気につながっていきます。
ほとんどのポケモンは一生同じ姿ではなく、より高度なレベルに進化するものが多いです。進化するには試練やら環境の変化によるポケモン自身の成長が伴うようで、「我が子にも進化するような試練が必要なのかな」なんて重ね合わせてしまうことも多いですね。
ところで長男の早期教育を本格的に始めてからようやく3年が経過しました。先月はその内容について振り返りを試みました(→参照)。今月は反省点を抽出することにしました。長男の家庭学習は傍からは順調そうに見えても脆弱な部分があります。
我が家の家庭学習にはこれまで基本書がありませんでした。基本を学ぶ作業のほとんどは「筆者の口伝」によります。問題を解きまくって覚えることを優先させたので、レジュメすら作りませんでした。基本を振り返る際の拠り所は「筆者と彼の頭の中にある記憶」ということになります。あとは筆者がまとめ彼に指示を与えているワークブックであり、これまで筆者が処方を考え「今日はこれとこれをやって!」と指令することで日々の学習が成立していました。
膨大な学習内容をとりあえず平らげるには、この方法を用いたのは正解だったと思っております。スピード感がありますから…。しかし学習が進むにつれて本人の自発を促す場面が多くなりました。そうなるとこれまでのやり方は適していません。
例えば計算過程でミスがあったとします。これまでは私が間違いを指摘して「あ、そうだったね。」となるのですが、本来なら自分で何が間違っているのか調べて自分で対策を立てる作業があって然りです。基本書が無いので記憶をたどるしか術がないわけです。
別の見方をすると・・・ポケモンが新たなステージに進化するように子供が変わるには、対する親が接し方を状況に応じて変えていかねばなりません。このままでは「成長が止まる」という危機感があるのです。戦乱の世を鎮めるには織田信長的な荒っぽいリーダーシップが適しているが、平時の繁栄に移行するには徳川家康的な精緻さが必要ということでしょう。長男の学習はそれに似た曲がり角に来ているように思います。それで基本書を作る決心がついたのです。
市販では小中学校の内容を統合して高校受験レベルに引き直したテキストはありません。なので自作するしかないのです。
とりあえず使う頻度の高い小中学校で習う単元を網羅しているもので、かつ今まで学習した一切合切を高校受験レベルに引き直しているものでなければいけません。代数や幾何をふんだんに盛り込みつつ物理系へのアプローチを試みた部分も必要です。これまで培った自作ワークブックよりも詳しい内容にしたいと考えております。
基本書というと理論や原理が漏れなく書かれている教科書や専門書を思い浮かべてしまうのですが、筆者が作ろうとしているのは「基本書的に使える実用書」ということになりそうです。
これまで最レベを素材にして、高校受験レベルの論点を流し込みながら自作問題をたくさん作ってきました。それを足掛かりにたたき台を作りたいですね。
本人に渡すのは紙のほうが良いと思います。紙であれば自分で自由自在に書き込めるからです。実際にはPDFで原本を作っておいて、必要に応じてプリントアウトできるようにしておこうと思います。これなら更新や差し替えも簡単だし管理しやすいですね。
問題を吟味するのはいつもやっていることだし、模範解答を作るといってもたいして時間がかかるわけでもないし案外簡単にできるかもしれません。時間がかかりそうなのは図を書いてスキャナで読み取って編集する手間でしょうか。それでもワードなどのアプリケーションで図を作るよりも手書きのほうが簡単そうに思われます。