一次関数は小学校の学習内容にもありますが、y=axのような切片の無いものに限定されているようですね。なので保育所時代に小学校の算数を教えているときはあえて触れませんでした。時間の無駄を省くため、中学校の学習をするときにまとめて教えようと思っていたのです。実際に教えるタイミングですが、二元連立方程式をマスターさせた直後が効果的だと思います。その作戦が見事に当たり一次関数の主な論点は、三日で教え終わりました。
繰り返しますが二元連立方程式を学んだ後すぐであれば、小中学校で教わる一次関数の内容全てが極めてスムーズに入っていくのでおススメです。
一次関数を教える前提となるのが「関数とは何か」です。だから最初にこれを教えるパターンが多いと思われます。しかしあえてグラフを書く作業から入ったんですね。というのはブラックボックス等々話しても、それだけでは実際の計算問題とリンクさせるのが困難と思ったからです。グラフを繰り返し書かせて馴染んだ頃に、グラフの意味と関数の意味を教えます。
グラフを繰り返し書かせる。切片や傾きを教える。
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関数の意味を教える。
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演習問題を解かせる。
一次関数はy=ax+bで表され、「傾きaと切片b」がわかればグラフが書ける。横に動いた長さΔx、縦に動いた長さΔyとすると
切片のあるものと無いもの、傾きが+のものと−のものを書かせて、y=ax+bとグラフの関係を学ばせます。
傾きa=0の直線はy=bとなります。y=axは切片の無い比例になります。このような事例を「y=ax+bの例外」と位置づけて取り上げることは、一次関数についてより深く学ばせるきっかけになります。
ケーキをデコレーションするために買ったクリーム用の口金がありました。ケーキは作らずお蔵入りしていたので、子供が保育所時代に粘土細工用に使っておりました。「この金属の道具が関数だよ。黄色の粘土を入れると黄色の花ができるし、青い粘土を入れると青い花ができる。」と説明しました。途中で子供が粘土でウンコを作り始めたのでウンコで関数の話をすることにしました。
あなたの身体が関数だよ。食べたものがウンコになって出てくるという関数。食べるものがxで出てくるウンコがyということ。
食べるものが変わると出てくるウンコが変わるよ。例えばニンニクを食べるとニンニク臭いウンコが出てくる。肉ばかり食べると水に沈むウンコになるし、野菜をいっぱい食べると水に浮く軽いウンコが出てくるよ。
身体という関数が変わると、同じ食べ物でも出てくるウンコが変わる。あなたが野菜を食べるとバナナみたいな形で出てくるけれど、ウサギが野菜を食べると豆みたいな形のウンコが出てくるよ。
冒頭で述べたように中学校で学習する一次関数には、当然ながら方程式を使って座標や直線を求める問題が定番となります。
始めにグラフに座標の点を取らせて直線を書かせます。次にグラフから答の予想を立てさせます。その上で問題を解かせ最後にグラフが合っているかどうかの確認をさせます。
⇒一つの問題をしゃぶりつくすつもりで取り組ませています。
一次関数@のグラフと一次関数Aのグラフの交点の座標を求める問題があります。二つの一次関数の式を連立方程式として計算する単純な問題ですが、グラフを初めて見る子にはどういう意味なのかさっぱり分からないことでしょう。これを理解するには「集合」という概念が必要です。
集合というのは同じグループということ。同じ保育所出身の同級生とか、同じ家に住んでいる人だとか生き物の分類とか果物とか。子供が身近に感じるものや興味があるものであれば何でもよいでしょう。
私は子供が好きなポケットモンスターで説明してみました。
ピカチュウ、カプ・コケコ、デンヂムシ、トゲデマル
カプ・コケコ、カプ・ブルル、プリン、バリヤード
この中で電気タイプのポケモンのグループとフェアリータイプのグループとで、重なるのはカプ・コケコだけ。
交点(-4,-3)はカプ・コケコと同じ意味
小学校の学習内容で比例と反比例が出てきます。このテーマは中学校の内容との重複を避けるためこれまでやらないできました。一次関数の単元でまとめて比例・反比例を教えました。
反比例は比例の裏返しみたいなものなのでサラッといきます。反比例と比例の違いが把握できて、必要に応じて反比例の計算ができれば良しとしています。
速さの計算とグラフを例にとり、口頭で質問しながら対話形式でレクチャーしました。
x=0で極大値・極小値が収束せず発散となるのが論点です。「yの絶対値が無限に大きくなるので書くことができない」と教えました。
実際に作図させてレクチャーを終了。